僕たちはなぜゲームをするのか
「楽しいから」という理由をもっと突き詰めて、なぜゲームをするのか
ストーリーが魅力的だから、アクションが爽快だから、システムが斬新だから、キャラが好きだから、スリルを感じられるから、非日常を味わえるから、仲間とのチームプレイにやりがいを感じるから、強敵を倒した時に達成感があるから
それらを全て凌駕していったのが「ラスアス2」だった
このゲームは、いやこのプレイ体験は・・・ノーティーからプレイヤーに叩きつけられた"挑戦状"のようなものだった
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ラスアスへの愛が大きすぎるばかりに、2をプレイし始めて1ヶ月以上経っているのに何をどう自分の感想をまとめればいいのか整理しきれず、ずるずるとここまできてしまった
ゲーム自体への感想も膨大なら、世間のゲームへの評価への意見も日に日に増していく
最終的に自分がこのタイトルに対してどんなスタンスでいればいいのか決めきれずにいた
他のゲームと違い、「神ゲーだ!」とか「こういうとこ改善すればいいのにね」とか、気安く終わらせたくないという気持ちが強すぎたのだ
そういう気持ちにさせてくれたのも、このタイトルの成せる業かもしれない
プレイ自体は丸々2周終わってトロコン、ゲームの一部始終を一通りは楽しんだ上で勇気を出して文字にまとめてみる。
こんなに緊張した面持ちでブログを書くのは人生で初めてだ。
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初代ラスアスをプレイした時に驚いたことがひとつある
「こんなにもゲーム中のキャラに感情移入できるのか」といったことだ
ラストの病院では、主人公のジョエルがエリーを救うために手術室に入り、エリーへの手術を中断させるために執刀医や助手を射殺するシーンがある
そこに至るまで、首を噛みちぎってこようとする感染者や銃をぶっ放してくる対抗組織をさんざん殺してきたジョエルが、だ
最後の最後には、銃も凶器も持たず、メス片手に「考え直せ!」と実に冷静に主人公に訴えてくる、いわば善良な一般市民をプレイヤー自らの手で殺めなければいけないシーンがある
いくらゲームとはいえ人間や動物を殺すことにずっと抵抗を感じていた自分自身が、
その時ばかりは「エリーを助けないと」という一心でこちらに話しかけている最中の執刀医を無我夢中で射殺していた
ふと我に返った時、そこで初めて気付いた
「これが感情移入ってやつなのか」
もし自分がジョエルだとして、一緒に国を横断してきたエリーの命が奪われそうになったとしたら、いくら敵意のない医者だとしても、おそらく自分なら殺していたんだろう
そうやって自己投影もできたし、自分自身の「エリーをなんとか助けたい」という目的をプレイしているキャラによって実現する、これこそが感情移入と言うんだろう
長年ゲームをやってきてそう思えたのが初めてだったため、初代ラスアスの記憶に残るシーンとして執刀医射殺はハッキリと自分の脳裏に焼き付いている
そんなラスアスを経て、2のプレイをこれでもかというくらい楽しみにしてきた
そして発売延期がありながら、ようやくようやく2がプレイできることにこれ以上ない喜びを感じていた
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滑り出しからラスアス2への手応えは確実に感じていた
冒頭一番最初に扱うキャラはジョエル
それも、1のラストからさほど年月の経っていないトミーとの会話シーンから始まる
あぁ、1のラストのその後をちゃんと描いてくれるんだ・・・
これだけでファンにとっては有難いこと
1のエンディングが神がかっていただけに、2でもちゃんと後日譚を描いてくれれば素晴らしいゲームになる
そんな期待を込めての滑り出しとなった
すぐにエリーの操作にうつり、エリーを操作できることの嬉しさと興奮で満ち満ちた
しゃがむ、走る、胸のライトをつける、前を向いたまま後ろ方向に軽快に走り出す独特のモーション、全てが懐かしい
そしてカメラアングルをエリーの正面にまわして、彼女の表情の所作をじっくりと観察する
ノーティーすげぇ・・・
再会を噛み締めるかのように、じっくりとストーリーを進め始めた
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名前も分からない女性の操作パートにいきなり移った
なるほど、これはジョエル・エリー達の敵となるキャラになるのか
ノーティーは発売前のインタビューでもこのようなことを言っていた
「敵キャラ全員に名前を設定し、そのキャラが倒されたら違う敵キャラが倒されたキャラの名前を叫ぶようにしています。そういった演出をすることにより、敵キャラを倒す時の実感が何倍にも増幅します」
敵となるキャラをいきなりプレイヤーに操作させ、後にそのキャラクターをエリーに倒させる
そうすることで敵キャラを倒す時のプレイヤーの感情の起伏を大きくさせる
そうか、この女は噛ませ犬のような存在なのか
一旦は自分の中でそう咀嚼したものの、それは大きな勘違いだった
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ジョエルが死んだ
正しくは、さきほど操作したアビーという女にいとも簡単に撲殺された
なんだかんだで生きていて、ストーリー後半でジョエルはエリーを助けに現れるんだろう
そう思った矢先に映ったのはジョエルの墓
この時、ジョエルの死を実感して思わず涙した
この世に実在しない人物の死に涙したのは・・・生まれて初めてだ
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この時、自分がこのゲームをやる明確な目的が生まれた
というか、この目的が自ずと自分の頭の中を支配していた
「アビーに復讐を果たす」
エリーが「絶対に殺す!」と誓ったその瞬間、プレイヤー自身もアビーへの復讐を誓い、アビーを倒すためにゲームを進める
これまた、初代ラスアスで自分が体験した「感情移入」の再来だ
エリー篇も中盤に差し掛かるくらいにふと自分で気付き、驚愕した
俺はこのラスアス2というゲームをストーリーを楽しむためでも戦略性を楽しむためでもなく、ただ単に"アビーをこの手で殺したい"という一心で進めている
完全に主人公エリーの心情とプレイヤーの心情が一致している
これが凄まじい
過去にここまでプレイヤブルキャラに自己投影することがあっただろうか
自分が操作するキャラクターはエリーであり、自分そのものなのである
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感染者に罪はない
なりたくてなった訳ではない
ただ、アビーの所属する組織、WLFの奴らだけは許せなかった
ジョエルとトミーを問答無用で拷問し、ジャクソンで平和に暮らす人々を恐怖に陥れた
スカーもどうでもいい、別にスカーに恨みはない
気味が悪いだけで、アビーへの復讐を邪魔する存在というだけで、別にこの手で殺めなくても構わない
極論、WLFという組織を壊滅させたい訳でもない
ただ、アビーだけは、アビーだけはこの手でなぶり殺したい
エリーと完全に感情が一致してくる
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するりするりと指の隙間から逃げていくアビーの足跡
水族館まで追い詰めるも、そこにはアビーの姿はない
最後の最後、そこからアビーを追い詰めて激しい銃撃戦を繰り広げて無事に復讐を果たす、そんなストーリーだろうと想像していた
が、ラスアスはそんな単純ではなかった
逆にアビーの方から襲撃を喰らい、一瞬でジェシーの顔面がぶち抜かれ、トミーも重傷を負う
心の整理が全くつかないうちに、「4年前」というテロップと同時に映し出されるのは若きアビーの後ろ姿だった
このゲーム・・・、やってくれた
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敵キャラが完全な悪ではなく、敵キャラも敵キャラなりに背景があり主人公と敵対するそれなりの理由がある
これをゲームで描く、というのは決して新しい手法ではない
ニーアレプリカント、ゆうしゃのくせになまいきだ、などそういった点に重きを置く作品は過去にもいくつも存在する
しかし、ラスアス2の場合はタチが悪い、悪すぎる
散々あれだけ初代ラスアスからの流れも込みでエリーとジョエルに感情移入させた後に、そのプレイヤーの気持ちをコロっと手玉に取るように一大悪であるアビー操作パートに移る
しかも、アビーがジョエルを襲う理由が真っ当すぎて反論の余地がないのが嫌らしい
まさか自分の父親の仇だとは
ラスアス1で自分が断トツに印象に残っている執刀医射殺シーン、その執刀医こそがアビーの父親だった
これはやられた!と素直に感服した
前作の名もないキャラクターが次回作で非常に重要な立ち位置になるというこの文脈、大好物なのだ
アビーからしてみれば殺される理由のない父親を殺され、さらにファイアフライまで崩壊させられて生きる目的すらも奪おうとしてきたジョエルに敵討ちしようと思うのは至極当然なこと
そこに理不尽さが全くない
理不尽さが全くないからこそ、あれだけ忌み嫌っていたアビーを操作することをプレイヤー自身が受け入れ始め、彼女なりの3日間を過ごすことになる
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アビーの中ではジョエルを倒して復讐は済んだはずだった
なんなら、撲殺したことがトラウマになり彼女自身も悩んでいるくらいだった
エリー篇でディーナやジェシー、もちろんプレイヤー自身も感じていた「なぜジョエルは殺してトミーとエリーは生かしたのか」という疑問
それはアビーが教えてくれた
復讐を果たしたいのはジョエルに対してだけ、それ以外の人間まで見境なく殺していたらスカーと同類になってしまう
区切りをつけたはずが、オーウェンもメルもアリスも、全員1人の手によって殺されていた
こうして復讐が復讐を生み、終わりなき殺し合いが始まっていく
「見逃してやったのに…全部ぶち壊した!」
このアビーの一言が全てを表している
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ラスアス2のラスボスはエリーだった
1のヒロイン、2の主人公がまさか2のラスボスになろうとは、誰が予想できた展開だろうか
あれだけ肩入れしていたエリー、いざ敵にするとなると手がすくむ
心の中ではエリーに勝ってほしい、エリーに最後に報われて欲しいと思うがゆえに、アビーを操作していてもわざと何も攻撃せずエリーに攻撃をさせる
こうすることで、もしかしたらエリーが復讐を果たせるエンドを迎えらえるのではないかと僅かな期待を込めた
だがそれは気泡となって消えた
いくらエリーに首元を刺されようが、あの甲高いSEが響いてリトライ画面に移るだけ
ここでまたプレイヤーのメンタルが試される
本当にエリーに歯向かう度胸があるのかどうか
ゲームを前に進めるためには、ここで一騎打ちでエリーを倒すしかない
ちょこまかと移動し、設置爆弾を器用に扱う小賢しいエリーを
いざ敵にするとこんなに嫌らしい相手だったとは
思い切って腹をくくり、エリーの顔面を殴打する
そして虚無感に襲われ、とどめを刺すことなくエリーを再び生かしたまま逃がすことになる
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エリーとディーナ2人で喧騒と離れた山奥で暮らす実に平和なシーンになり、
今度こそここでエンディングだと思った
「復讐は復讐しか生まない」といったメッセージ性のあるゲームだと思った
しかしノーティーは二度裏切る
エリーが再びアビー復讐の道を歩むことになるとは
ここまで来ると、当初シンクロしていたエリーとプレイヤーの目的も、違った方向でシンクロしてくる
もうアビーへの復讐はいいんじゃないか、このままディーナとJJと3人で平和に暮らしておけば誰も悲しまないはずだ
そう強く思い、アビー討伐への再出発は正直気持ちが動かなかった
エリーも表面上は強く振舞っているけれど、実は心の中では以前ほど燃え滾った復讐心はなかったのだ
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最後、カリフォルニアでアビーとレブを追い詰めたエリーだったが、萎みかけた復讐心もあいまって結局はアビーとレブを生かして逃がすことになる
最後は自分の心に踏ん切りをつけて、永遠に連鎖する復讐に自分で終止符を打つしかないのだ
今度こそ、これで良かったとプレイヤー自身も納得する
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最後はエリーがジョエルに「一生そのことは許せないと思う でも…許したいとは思ってる」と打ち明けてエンドを迎える
作中全く報われなかったジョエルが、実は生前にエリーの本心を聞けていたことが分かり少しだけ安心させられる
ただエリーはというとアビーへの復讐を無理やり終わらせ、ディーナとJJも失い、ギターを置いて過去と決別し今までとは違う道を歩んでいくことになる
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ストーリーに対して、発売直後から賛否両論が相次ぎ、評価が真っ二つに分かれる結果になっている
俺は何の疑いもなく「賞賛」だ
批判する理由がどこにあろう
1ではジョエルに、そして2ではエリーに感情移入していたプレイヤーがアビーの登場により一気にプレイヤーとジョエル・エリーとの関係を崩壊させられる
ジョエルやエリーの目的である「復讐の旅」が、アビー篇を進めるにつれて実は間違っていたのではないかという気持ちにさせられる
そして何より物語序盤に前作主人公のジョエルが無惨な死に方をし、殺した張本人をプレイさせるという裏切り方
ここまで予想外な展開、面白くない訳がない
エリーの幸せ人生を期待するタイトルではないことは明らかなのに、いざこういうストーリーを描かれて反発している人間は、フィクションを受け入れられない甘ちゃんなんだと思う
まさにノーティーがプレイヤーに突き付けた”挑戦状"だ
どこまでこの残酷で凄惨な物語を受け入れられるか
精神がえぐられるゲームであることは間違いなく、プレイしていて気持ちいい要素は何ひとつない
PSボタンを押す度に「よし、今日もメンタルを削るぞ」と気合いを入れながら自分もプレイしていた
ただ、その精神を尋常じゃない程に揺さ振ってくるゲーム、これこそが「プレイのし甲斐」だし「満足感」だし、何よりラスアスの描くダークさを堪能するにはもってこいだった
人にこのタイトルを勧めない理由がない
俺にとっては期待通り、期待以上のゲームだった
以下、ちょっと肩の力を抜いた感想を箇条書きで。
▼ゲーム性
ストーリーに文句を言う人は多発しても、ゲーム性に文句を言ってる人はほとんどいないでしょう
それくらい細やかな点も行き届いてるし、操作性が悪いと思う瞬間もひとつもなかった
キャラを動かしていてストレスを一切感じないっていうのは本当に貴重
新しく加わった匍匐と回避は本当に戦略性を広げてくれた
ラスアス1は物陰に隠れてひたすら背後狙ってステルス、というシーンばっかだったような記憶があるけど、
匍匐のおかげで隠れられるところとか敵の視線の隙を盗めるといったシーンが多いように感じた
回避もね、クリッカーとかシャンブラー以外の相手にはうまく立ち回れば近接武器なくてもナイフで倒せるし救済措置的な立ち位置でスリルを味わえた
ジャンプも地味にマップを縦方向に広げるという意味では功を奏してたのかな
これら新要素のおかげで、2周目でも全然違うクリア方法が試せた
とはいっても自分はやはりステルス至上主義
こっそり背後に回ってナイフで一刺しが一番性に合ってるんだけど、
敵の巡回ルートがあまり単純じゃなかったり遮蔽物の配置が絶妙だったり、結構苦労させられた
決して簡単なステルスゲーではない
そこが良かった
▼設定
設定画面で設定できる要素が多すぎる、あまりにも親切すぎて引くくらい
特にアクセシビリティの豊富さは群を抜いている
ステルスが苦手、収集が面倒、アクションだけサクサクさせたい、味方NPCを強くしたい、など難易度の調整が各項目で自分好みにカスタマイズできる
これがすごすぎる
「難しくて脱落」という現象はこれでかなり少なくなるのではないか
個人的に一番親切だなぁと思うのはコンティニューする区切りの多さ
ひとつの戦闘中でも敵を2人くらい倒して少し場所を移動するだけでコンティニュー地点を通っていて、本当に2分以下くらいの直前からやり直しがきく
何回も何回もコンティニューしたけど、「またここからかよ・・・」と思う場面がほぼなかったのは幸い
▼最高難易度「Survivor+」
2周目はNewGameだったこともあり、またラスアス2というゲームを髄まで楽しみたいという思いから最高難易度のSurvivor+にしてみた
敵からの被ダメージは想像以上に大きいからほぼノーダメで進んでいかないと難しい
だから、少しでも喰らったり敵に気付かれたりしたらコンティニューして少しずつ進めていけた
この時、コンティニューのきめ細やかさに助けられる
結論、ゲームを最高難易度でやることがほとんどない自分でもなんとかなる
逆に節約しすぎて資源は余るくらい
エリー篇の方が簡単で常に各資源は2以上をキープしながら進められた
あと2周目はサプレッサー付きマシンガンが初期装備っていうのが強いね
アビー篇の方が資源のやりくりに苦労して特に銃弾の少なさには中盤まで悩まされた
とにかく布は産廃だね
ダメージ喰らいながら進めることがないから回復薬を使うことはほぼないし、サプレッサーもそこまで重要じゃない
布の有効な使い方があればいいんだけど
火炎瓶が強い分、エリーの方がサバイバーには向いてるかな
アビー篇はドンパチやるには向いてるかもしれないけど、ナイフも有限だからステルスには向いてない
▼ボリューム・トロフィー
1周目はNormalでストーリー重視でプレイ
じっくり収集も探索もして43時間でクリア
だけれど収集品は85%ほど、こんなに見落としてるのは思わなかった
おかげで2周目での新しい気付きが多く、マップの広さは想像以上にボリューミーだった
その中でも一番驚いたのは、1周のクリアに43時間もかけられた!ということ
一本道のゲームだしエンディング分岐もないからもうちょっと短いと思ってたけどこれは嬉しい誤算
オンライン要素もないので1周ちょいすればトロコン自体は容易な部類だと思う
2周目は最高難易度で全収集品を集めたから41時間でクリア
意外と時間かかった
おかげで合計80時間以上も楽しめた
▼作り込みの凄さ
さすがノーティーの一言
キャラクターの表情の作り込みが非常に素晴らしい
何も言葉発してないのに、表情ひとつでそのキャラの感情が手に取るようにわかるのは本当にそこに演者がいて演技をしているドラマを見ているかのような感覚
あとは、、随所にキリンがデザインされていたり、1でサムが欲しがっていた戦隊もののおもちゃがエリーの部屋にあったり、アンチャとかクラッシュのパロディがあったり、ね
▼グラフィック
これもまたノーティーさすがの一言
ラスアス1のPS4リマスターをプレイした時点でグラは最高標準だと思ったけど、
今回もさらに磨きがかかってた
特に綺麗だなぁと思うのはTake on meを演奏する楽器屋の小部屋と、ノラを尋問する赤光りの病院の奥底
これ以上グラを進化させるとするなら、やっぱり洋服と髪の毛の自然な動きだと思う
長い髪の毛は難しいのかな、女性キャラで髪の長い人はほとんどいなかったと思う
短い、もしくはまとめてるか、とか
アビー、ディーナ、ノラ、メル、ヤーラ・・・
レブにいたっては髪の毛すら与えられないという
▼大好きなシーン
・ワイオミング自然博物館
ジョエルとエリーの関係が良好なこういうシーンを2に待ち望んでた人は多いのでは?
一緒に騒いで博物館まで向かうところから恐竜ひとつひとつに対して2人で冗談を言い合うシーン、そして極めつけは宇宙船の中で誕生日プレゼントに純粋に喜ぶエリー
こんな幸せな生活が永遠に続けばいいのに・・・
半ば現実逃避であることが分かりながらもまるでオアシスにいるかのような感覚に浸って、ここのシーンは本当に大好きなシーンになった
鏡に向かって変顔するエリー最高
・Take on me
ただでさえ好きな曲が、こんな形でカバーされるとは・・・
・ヘイブン
今まで我慢して我慢してステルスやり続けてきたけど最後の最後に銃で遠距離の相手とバンバンやり合い、WLFとセラファイトと3すくみになってゴチャゴチャ対戦する感じがとても楽しかった
高揚感に溢れたまま馬で燃え盛る村を走り抜け、最後はモンスターみたいなキャラと一騎打ち
興奮した・・・臨場感がすごかった
・農場
これがエンディングだと思って感傷にひたりながらしみじみとプレイしていた
夕陽が非常に綺麗
とうとうエリーに幸せが訪れたんだ・・・といちいち感動
「おいもちゃん」の歌も頭に残るメロディ
羊を追ってる時にふと現れるジョエルのフラッシュバック
まだこのゲームは終わりじゃないんだと思って嬉しさがこみ上げてきたのをはっきり覚えてる
▼苦手だったシーン
・アビー篇のホテル
ストーカー本当に苦手、怖すぎる
あと壁にめり込んでる感染者が突如動き始めるのも本当に苦手
ホラーは基本苦手なのでここはびくびくしながらプレイしていた、2周目になっても小便ちびってたと思う
・グラウンドゼロ
グロすぎる
暗いと怖いのに、電気通して中途半端に照明がつくのも怖い
▼エンディングの考察
そりゃ1の神がかったエンディングと比べたら劣りますよ
だけど、2でもエンディング切り取ると綺麗にまとまってると俺は思う
ディーナとJJに出ていかれ、ギターを部屋に置いて家を出ていったエリー
あれ、森に向かって自殺しに行ったんだと俺は思ったけど同じような考察をしてる人はほぼいない
直前の日誌に「虫によって浄化されてもいい」みたいなこと書いてあったと思うんだけど
決して「自殺」という表現が相応しいとは思わないけど、、自ら人生を終わらせたんだと俺は受け取った
ジャクソンからも出て、ジョエルも亡くなり、愛する家族も失った
ジョエルとは心の中でも決別をした
Part3に続くべき要素がほぼない
全て無に還ってしまった
もうこうなれば、エリーすらも無に還した方がいいのかもしれない、俺はそう思った
▼犬を殺さないといけないという葛藤
動物を殺すゲームなんてそこらじゅうにあるし別に犬だけ取り立てて擁護するつもりはない
キラリが序盤WLFに撃たれるシーンだって心は痛む
WLFの犬を撃つのは抵抗感あるものの、「ごめん!」と独り言を言いながらなんとか倒してきた
だけど、アビー篇をプレイしてからはその後ろめたさに拍車がかかる
エリーが水族館に潜入してすぐに殺したあの犬はアリスだったのか・・・
アリスはこの水族館で、つい殺された日の朝、アビーとヤーラとおもちゃで遊んでいたのか・・・
そう思うと、2周目にアリスを殺した場所からしばらく離れられなかった
身体から少しずつ出てきて床を真っ赤に染める血・・・
ノーティーは本当にプレイヤーの心を削るのが上手い
▼人種差別・LGBTQ
LGBTQへの配慮が必要以上になされていたゲームだからこそ叩かれる要素も多い
日本人にとっては「はいはいポリコレね」で済むかもしれないけど、欧米人にとってはポリコレをゲームに持ち込んだ例が想像以上に多いらしく、「ラスアスという名作にまでポリコレを持ち込んでこんな台無しにする必要あったのかよ!ラスアスでやる必要ないじゃん!」と炎上している、らしい
自分自身もこの「性」にまつわる部分はそんなに抵抗なかった
エリーが同性愛者なんてことは1のDLCの「Left Behind」でも描かれていたから抵抗感ないし、
アビーがあそこまで筋骨隆々なのも別に違和感はなかった
クリア後にいろんなレビューを読んで、「あぁアビーって元々男性で性転換して女性になった説があったのか」「確かにレブも同一性障害で悩んでたのか」と気付くくらいで、プレイしていた時の感情を阻害するほどの要素ではないと思った
ただ、「人種」という面ではやや違和感あり
人種とか種族とかに別段詳しくない一般的な日本人として書くけど、
1ではあれだけ壮大なストーリーでいわば「アメリカ人」しか登場してなかった
白人黒人の違いを取り立てるほど遅れてないし、日本人からしたら「アメリカ人」として容易く認識できた
それが、ラスアス2ではめまぐるしくメインどころに「アメリカ人以外」が出てくる
ジェシーは韓国人だし、ヤーラとレブは中国人そのもの
レブにいたってはツルツルの丸坊主だから戦時中に日本人かとすら思わせる
そこが問題
ジョエルやエリーを取り巻く世界にこんなにアジア人がいること自体が不自然に思えてくる
まるでとってつけたようなワールドワイド
自分がアジア人だからだと思うけど、アジア人への偏見というものを物凄く感じた
ジェシーはイケメンだけど鼻低いし、ヤーラは典型的なつり目だし、ホイットニーもつり目で鼻低くてゲームオタク
トレーディングカードでも北朝鮮の政治的権力者の象徴みたいな感じで「ノウイットオール」というキャラが出てくるし
アジア人へのステレオタイプが多分過ぎている
今どきのアジア人、もうこんなつり目な人少ないしはっきりした顔立ちしてるよ
今どきのアジアアイドルみたいなパッチリ二重の人物はいないんだろうか
とにかく日本人ぽいキャラは1人も登場していない・・・と思ったけど、これこそ「日本人の自分が他のアジア人に対するステレオタイプ」な気がしてしまった
そもそも「アジア人」という言葉を自分が使っていること自体、東洋アジア人以外の人への差別なのかもしれない
俺の言う「アジア人」にはインドやバングラデシュはおろか、東南アジアすら含まれていない
多分、日本韓国中国台湾くらいの狭い範囲を「アジア」でくくっている気がする
だからこそ、インド系のディーナに対しては複雑な心境が渦巻いた
純粋に「アメリカ人」とも思えないし、同族と認識して共感する部分もない
1から脈々と続いたプレイヤーとエリーの関係性の中に突如割って入り、エリーを肉体的に奪っていく
当然、プレイヤーからのヘイトを集めるキャラとなる
当たり前のようにシアトルに同行したと思えば「妊娠してるかも」との爆弾発言
コントローラ片手に「はぁ!?」と言った2秒後、ゲーム内でもエリーが「はぁ!?」と言った時はさすがに笑った
それくらいプレイヤーの嫌悪を集めるキャラに設定されていると思う
挙句の果て、家族であるエリーを見捨てて勝手に家出
こういうヘイトキャラをアジア系、それもインド系にしたというのもゲームスタジオの隠れた意図を感じてしまう
▼許されざる点
発売前のトレーラーに重大すぎるミスリードがあった
エリーが敵地へと進む中で後ろから口をふさがれるも、その口をふさいだ相手はジョエルだったという点
そしてジョエルが一言、
「お前1人で行かせるはずないだろ」
youtu.beこれさぁ・・・
当然、エリーの旅路の中でジョエルが助けにきてくれて2人で協力すると思うじゃん
ゲームの中では、エリーの口を後ろからふさいだ人物はジェシー
「お前かよ!!!」
これはミスリードすぎる
火に油を注ぐあってはならないミスリード
▼戦い甲斐のある感染者達
ストーカー本当に怖すぎ、そして強くてうざい
聞き耳の対象じゃないのは分かるとして、銃を構えてると頭出さなくなるし、いつの間にか後ろに回り込んでるし本当にうざい
その分、遠くからライフルで頭ぶち抜くと気持ちいいんだけどね
ラットキングはビジュアルも込みで良いボスだと思ったけど、「感染者第1号」というストーリーがあるならもっと膨らませることができるのかなと思った
相変わらず瓶・レンガ投げからの急所攻撃が強かったので、2周目からはランナーはザコキャラと思うことができました
▼その他気になる点
敵の動作が怪しくなるバグがちらほら
命かけて旅してるのにすぐにいちゃこらし始めるエリーディーナとアビーオーウェン
なんで洋ゲーのキャラって切羽詰まったシーンでもすぐに発情しちゃうんだろう
瓶持ってる状態でレンガに持ち替えられないのは1からの改悪、レンガ欲しい時は瓶いちいち捨てないといけない
素材余ってるからサプレッサー新調したくても途中で捨てられないから、新しく作る場合は今あるサプレッサーを使い切らないといけない
それはすなわち弾も消費しないといけない
同じく、素材余ってるからパイプ爆弾作りたいけど作成数が3で手持ちの空きが2しかないから作れない、というシーンもある
2しか作らなくていいから素材消費させてくれよ
爆弾とかなら投げれば消費できるからいいけど、ナイフとかサプレッサーは消費もできないから数の管理がしづらい
以上
だいぶ長々と語ってしまったけど、それだけ思い入れのあるゲーム
短いスパンで2周したけど、2周目の心のえぐられ具合もあまり変わらなかったし、相変わらずプレイ中に鳥肌立つし汗もわきでる
出来に対してこれだけ否定意見が出るっていうのも、期待が物凄く大きくてそれを裏切るだけのプレイヤーの感情を大きく揺さぶる完成度だったということ
そう思えば、これを批評する理由にはならない
どちらに転んでも、感じることが非常に大きいゲームなことに変わりはない
これは後世に伝えていきたいゲームとストーリー
ウィッチャー3、キングダムハーツ2、幻想水滸伝2と並んで人生のゲーム史の中でTOP4の作品となりました
個人的GOTY決定
※毎日のように感想が湧き出てくるから、たびたび追記するかも